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木曜日の一日一論点と思い出 [一日一論点]



  復習 一日一論点(カテゴリー別・リンク)


 おはようございます!

 今日も早速、一日一論点確認しましょう。


(一日一論点)民法

民法395条2項
 前項の規定は、買受人の買受けの時より後に同項の
建物の使用をしたことの対価について、買受人が抵当
建物使用者に対し相当の期間を定めてその1か月分以
上の支払の催告をし、その相当の期間内に履行がない
場合には、適用しない。

 前項の規定というのは、抵当権に後れる賃貸借の建
物の引渡しの猶予の規定ですね。

 詳細は、395条1項を確認しましょう。

 また、上記の2項の急所は、建物の使用の対価とい
う点ですね。

 以下、民法の過去問です。

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(過去問)

Q1
 抵当権の設定の登記後に締結された賃貸借により競
売手続の開始前から抵当権の目的である建物の使用収
益をする賃借人は、当該抵当権が実行されて当該建物
が競落された場合は、買受人に対し、当該建物を直ち
に引き渡さなければならない(令3-13-ア)。

Q2
 抵当権者に対抗することができない賃貸借により抵
当権の目的である建物の使用又は収益をする者が、民
法395条の引渡しの猶予を認める制度によって建物の
引渡しを猶予される場合には、建物の賃貸人の地位が
買受人に承継されることになるから、抵当建物使用者
は、従前の賃貸借契約に基づく賃料の支払義務を買受
人に対して負うことになる(平19-16-エ)。

Q3
 抵当権者に対抗することができない賃貸借により抵
当権の目的である土地を競売手続の開始前から使用す
る者は、その土地の競売における買受人の買受けの時
から6か月を経過するまでは、その土地を買受人に引
き渡すことを要しない(平24-13-エ)。

Q4
 建物につき登記をした賃貸借がある場合において、
その賃貸借の登記前に当該建物につき登記をした抵当
権を有する者のうち一部の者が同意をし、かつ、その
同意の登記をしたときは、その同意をした抵当権者と
の関係では、その賃貸借を対抗することができる
(平24-13-ウ)。

   ・・・・・・・・・・・・・・・


A1 誤り

 本問の賃借人は、買受人の買受けの時から6か月間、
建物の引渡しが猶予されます。

 395条1項で、引渡しが猶予される者の要件は、き
ちんと確認しておくべきです。


A2 誤り

 抵当建物の賃貸人の地位が買受人に承継されること
はなく、抵当建物使用者が賃料の支払義務を負うこと
もありません。

 この場合、抵当建物使用者は、建物の使用の対価の
支払義務を負います。

 今日の一日一論点の条文ですね。

 また、使用の対価が急所と書いたのも、この点です。

 賃料ではなく、建物の使用の対価です。

 ちなみに、この問は、私の受験時代の思い出があっ
て、後ほど簡単にご紹介します。


A3 誤り

 土地の引渡しの猶予なる制度は存在しません。

 引っかけ問題ですね。


A4 誤り

 一部の者の同意では足りません。

 先順位抵当権者すべての同意と、その同意の登記を
要します。

 この先順位抵当権の同意の登記は、不動産登記法で
特に重要ですね。

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・

 今回は、抵当権に後れる賃貸借に関する問題をピッ
クアップしました。

 抵当権と賃貸借の問題も、抵当権の中ではよく出る
テーマのひとつです。

 内容自体は、ボリュームも多くないので、条文と過
去問をきちんと確認しておきましょう。

 ちなみに、受験時代の思い出についてですが、今回
でいうとQ2の問題ですね。

 この建物の引渡し猶予の制度は、私の受験時代にで
きたものです。

 その当時、先生から、建物の使用の対価というとこ
ろが大事、こういうところを賃料と置き換えて聞かれ
やすいから、と教わりました。

 勉強始めたての頃は、対価とか賃料といった違いが
あまりピンと来ないものと思いますが、妙に頭に残っ
ていました。

 そしたら、その平成19年の本試験で、この点がズバ
リ聞かれたわけですね。

 それがQ2の問題で、最初は、私は、何の考えもな
しに支払義務を負担していたはずだから正しいなと判
断していました。

 後で見直したときに、フッと、講義での先生の解説
が思い浮かんで、勘違いしていた、やばいやばいと解
答を修正して、正解となりました。

 結果、この1問の見直しのおかげで、この年に無事
に合格を勝ち取ることができました。

 このときに、いわゆる急所を見抜くことの大切さを
実感したわけですね。

 そして、択一で1問を積み上げることの重さも。

 急所というものは、一度しっかり理解できれば、頭
に残りやすいですし、忘れにくいです。

 先ほどの例のように、本試験のふとしたときに、そ
ういえば!と気付くこともあります。

 オートマテキストにもあるように、たとえば、抹消
登記は常に主登記、という定理は、すごく頭に残りや
すいと思います。

 条文を読むときも、どの点が大事なのかという急所
を意識したりするのもすごく大切です。

 漫然と学習するより、そういう急所を意識しながら
学習することが大事ですね。

 では、今日も一日頑張りましょう!

 また更新します。

 1人でも多くの方が合格できますように。


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