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火曜日の一日一論点 [一日一論点]



  復習 一日一論点(カテゴリー別・リンク)


 おはようございます!

 早速、今日の一日一論点です。


(一日一論点)民法

 敷金のある抵当不動産の賃貸借契約に基づく賃料債
権を、抵当権者が物上代位権を行使して差し押さえた
場合において、その賃貸借契約が終了し、目的物が明
け渡されたときは、賃料債権は、敷金の充当により、
その限度で当然に消滅する(最判平14.3.28)。

 物上代位に関する重要先例ですね。

 試験でも頻出です。

 以下、民法の過去問です。

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(過去問)

Q1
 土地の賃借人の所有する建物に設定された抵当権が
実行された場合には、その建物の敷地の賃借権は、そ
の土地の所有者の承諾を条件として競落人に移転する
(平17-14-ア)。

Q2
 抵当権者は、利息を請求する権利を有するときは、
満期後に特別の登記をしなくても、満期となった最後
の2年分を超える利息について優先弁済を受けること
ができる(平29-11-オ)。

Q3
 AのBに対する貸金債権を担保するために、AがC
所有の甲建物に抵当権の設定を受け、当該抵当権の設
定の登記がされた後に、CがDとの間で甲建物につい
ての賃貸借契約を締結し、その賃料債権をCがEに対
して譲渡した場合には、当該譲渡につき確定日付のあ
る証書によってCがDに通知をしたときであっても、
Aは、当該賃料債権を差し押さえて物上代位権を行使
することができる(平26-12-オ)。

Q4
 AがBに甲動産を売り渡し、BがCに甲動産を転売
した後、BがCに対する転売代金債権をDに譲渡し、
その債権譲渡について、第三者に対する対抗要件が備
えられた。この場合において、Aは、動産売買の先取
特権に基づき、当該転売代金債権を差し押さえて、物
上代位権を行使することができる(平24-11-エ)。

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A1 誤り

 借地上の建物に設定された抵当権の効力は、土地の
賃借権(借地権)にも及びます。

 このため、建物の競売により、土地の賃借権は、当
然に競落人に移転します。

 土地の所有者の承諾を条件として、競落人に移転す
るのではありません。

 これは、とても重要ですね。


A2 誤り

 特別の登記を要します。


A3 正しい

 そのとおり、正しいです(最判平10.1.30)。

 賃料債権への物上代位の可能性は、抵当権の登記に
よって公示されています。

 このため、債権譲渡よりも、抵当権者による物上代
位が優先します。


A4 誤り

 本問の場合、先取特権者のAは、物上代位権を行使
することができません(最判平17.2.22)。

 前問の抵当権と類似の事案ですが、両者の違いは、
その権利が登記によって公示されているかどうかです。

 公示手段のない動産売買の先取特権の泣きどころで
もありますね。

 前問と比較して学習しておきましょう。

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 今回は、抵当権に関する問題でした。

 その中から、抵当権の効力と物上代位に関するもの
をピックアップしました。

 特に、Q3とQ4の判例は重要ですね。

 Q4は抵当権ではなく先取特権の問題ではあります
が、ぜひセットで理解したい判例ですね。
 
 この判例を見るに、やっぱり、登記は大事だなと思
いますね。

 動産の先取特権の場合、現状、公示手段がそもそも
ないので、致し方ない面もありますけどね。

 権利は目に見えないだけに、権利関係が見てわかる
登記は、重要な公示手段ですね。

 では、今日も一日頑張りましょう!

 また更新します。

 1人でも多くの方が合格できますように。

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