SSブログ

週明け、月末の一日一論点 [一日一論点]



  復習 一日一論点(カテゴリー別・リンク)



 おはようございます!

 明日から8月ですね。

 早く秋になって欲しいですよね。

 そんな週明けの一日一論点です。


(一日一論点) 民法

 土地に抵当権が設定された当時、その土地の上に抵
当権設定者の所有する建物が既に存在していた場合、
その建物について所有権保存登記がされていなくても、
法定地上権は成立する(大判昭14.12.19)。

 法定地上権の判例ですね。

 この登記の有無に関するものは、頻出といってもい
いくらいに試験でも聞かれています。

 以下、民法の過去問です。

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・

(過去問)

Q1
 A所有の甲土地上にB所有の乙建物がある場合にお
いて、AがCのために甲土地に第1順位の抵当権を設
定した後、Aが死亡してBが単独で甲土地を相続し、
更にBがDのために甲土地に第2順位の抵当権を設定
し、その後、Cの抵当権が実行され、Eが競落したと
きは、乙建物について法定地上権が成立する
(平26-13-イ)。

Q2
 A所有の甲土地上にB所有の乙建物があった場合に
おいて、AがCのために甲土地に第1順位の抵当権を
設定した後、Aが乙建物の所有権を取得し、その後、
AがDのために甲土地に第2順位の抵当権を設定した
ものの、Cの抵当権がその設定契約の解除により消滅
したときは、Dの抵当権が実行され、Eが競落したと
しても、乙建物について法定地上権は成立しない
(平25-14-イ)。

Q3
 A所有の甲土地上にB所有の乙建物がある場合にお
いて、BがCのために乙建物に第1順位の抵当権を設
定した後、BがAから甲土地の所有権を取得し、更に
Dのために乙建物に第2順位の抵当権を設定、その後、
Cの抵当権が実行され、Eが競落したときは、乙建物
について法定地上権が成立する(平26-13-オ)。

Q4
 建物の競売によって建物の所有権及び法定地上権を
取得した者は、その建物の登記を備えていれば、その
後にその土地を譲り受けた者に対し、法定地上権の取
得を対抗することができる(平29-13-エ)。

   ・・・・・・・・・・・・・・・・


A1 誤り

 1番抵当権の設定時に成立要件を満たさない本事案
では、法定地上権は成立しません(最判平2.1.22)。


A2 誤り

 前問と相違して、1番抵当権が消滅している本事案
では、2番抵当権を基準とするので、法定地上権が成
立します(最判平19.7.6)。 

 類似の事案として、前問とセットで理解しておきま
しょう。


A3 正しい

 そのとおり、正しいです(大判昭14.7.26)。

 前2問との相違点は、建物を目的とする抵当権とい
うことです。

 法定地上権の成立は、建物の抵当権者に有利なので、
この事案では成立するというのが判例です。


A4 正しい

 そのとおり、正しいです。

 法定地上権には借地借家法の適用があるので、建物
の登記があれば法定地上権を対抗することができます。

   ・・・・・・・・・・・・・・・・

 今回は、民法の抵当権のうち、法定地上権に関する
問題でした。

 法定地上権は、抵当権の中でも一番出題頻度の高い
テーマです。

 今年は、民法で抵当権からの出題がなしという珍し
い年でしたが、来年は出ることでしょう。

 法定地上権の学習は、もっぱら判例です。

 その前提として、法定地上権の成立要件を正確に理
解することが大事です。

 その上で、その要件を当てはめながら、判例の結論
を理解していくといいと思います。

 また、もうひとつの視点として、法定地上権は、建
物所有を目的とする地上権です。

 このため、借地借家法の適用があるという点には十
分気をつけておきたいですね。

 近年、今回のQ4のように、借地借家法の視点から
出題する問題もぼちぼち出ています。

 借地権の定義を再確認しつつ、この視点も忘れない
ようにしておくといいですね。

 では、今日も一日頑張りましょう!

 また更新します。

 1人でも多くの方が合格できますように。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。