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木曜日の一日一論点 [一日一論点]



  復習 一日一論点(カテゴリー別・リンク)


 おはようございます!

 昨日、GW前に申請した遺贈の登記が無事に完了し
ました。

 特に難しいところがあったわけでなくても、補正も
なく無事に完了したときはいつもホッとしますね。

 そんな今日の一日一論点です。


(一日一論点)民法

民法145条
 時効は、当事者(消滅時効にあっては、保証人、物
上保証人、第三取得者その他権利の消滅について正当
な利益を有する者を含む。)が援用しなければ、裁判
所がこれによって裁判をすることができない。

 時効の援用の条文ですね。

 以下、民法の過去問です。

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(過去問)

Q1
 一般債権者は、執行の場合における配当額が増加す
る可能性があるので、他の債権者の債権の消滅時効を
援用することができる(平20-7-ウ)。

Q2
 詐害行為の受益者は、詐害行為取消権を行使する債
権者の債権が消滅すれば、詐害行為取消権の行使によ
る利益喪失を免れることができるので、その債権の消
滅時効を援用することができる(平20-7-エ)。

Q3
 建物の敷地所有権の帰属につき争いがある場合にお
いて、その敷地上の建物の賃借人は、建物の賃貸人が
敷地所有権を時効取得すれば賃借権の喪失を免れるこ
とができるので、建物の賃貸人による敷地所有権の取
得時効を援用することができる(平20-7-オ)。

Q4
 被相続人の占有によって取得時効が完成した場合に、
その共同相続人のうちの一人は、自己の相続分の限度
においてのみ取得時効を援用することができる
(平31-6-エ)。

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・


A1 誤り

 援用することはできません(大決昭12.6.30)。

 一般債権者は、権利の消滅について正当な利益を有
する者に当たりません。


A2 正しい

 そのとおり、正しいです(最判平10.6.22)。

 援用できる理由も問題文のとおりなので、そのとお
り理解しておけばいいでしょう。


A3 誤り

 援用することはできません(最判昭44.7.15)。

 建物の賃借人は、敷地について、直接の権利を有し
ているわけではないからです。


A4 正しい

 そのとおり、正しいです(最判平13.7.10)。

 時効の援用の効果は相対的だからです。

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 今回は、民法の時効のうち、時効の援用に関する問
題でした。

 時効は、ここ近年、毎年のように出題されています。

 ですので、今年も出るものと思って、しっかりと準
備をすべきですね。

 時効は、判例からの出題が多いですが、条文はきち
んと確認すべきです。

 そして、総則編では、3問確実に得点できるように
しっかり準備をしておいてください。

 では、今日も一日頑張りましょう!

 また更新します。

 1人でも多くの方が合格できますように。

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