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不動産登記法第23回・本日の1問 [司法書士試験・不登法]

相変わらず、スッキリとしない天気が続きますね。
涼しくなってきたのはいいけど、雨の降り方も不安定ですし、気分的にもスッキリしなくなってしまうのが何とも。

さて、昨日は不動産登記法23回。
仮登記の本登記がメインテーマ。
正直、仮登記は、頭の中でレベルアップのテーマが鳴り響くには、少々時間を要するかもしれません。
ですが、それをクリアしてこその専門家です。
ぜひ乗り越えてください。

仮登記の本登記は、利害関係人が問題となります。
仮登記の後に登記を受けた人をピックアップして、仮登記に対抗できる人など、一定の者を引き算するといいです。
そもそもの前提として、登記記録をきちんと読み取れるようにしておく必要もあります。
テキストやレジュメの登記記録で、その権利関係をきちんと把握するようにしてください。
ごく基本的なことを書いておきます。
長くなるけど、いいですか?

パターン1
甲区
 2 所有権移転
   所有者 A
 3 所有権移転仮登記
   権利者 B
 4 所有権移転
   年月日売買 所有者 C

これは、A→BとA→Cの二重譲渡のケース。

パターン2
甲区
 2 所有権移転
   所有者 A
 3 所有権移転仮登記
   権利者 B
 4 3番仮登記所有権移転の仮登記
   権利者 C

こちらは、A→B→Cの転々移転のケース。

         
登記記録型にしたので、スマホでも上手く見られるでしょうか?
両者の区別は、Cの登記の目的です。
登記記録上の所有者はAだから、その者から所有権の移転の登記を受ければ「所有権移転」になるし、抵当権の設定の登記を受ければ「抵当権設定」となります。

仮登記権利者から登記を受けると、パターン2のようになります。抵当権なら「甲区3番仮登記所有権の抵当権設定仮登記」となります。

まずは、これがわかることですね。よく読み取れるようにしておきましょう。
ここが、Cが利害関係人になるかどうかの判断の分かれ目になります。

過去の振り返り

(本日の1問)
① 所有権に関する仮登記がされた後に、数次の売買による所有権の移転の登記が連続してされたときは、現在の所有権の登記名義人のみが、仮登記に基づく本登記を申請する場合における登記上の利害関係を有する第三者に当たる(平17-21-オ改ほか)。

② 所有権に関する仮登記がされた後に、相続による所有権の移転の登記がされたときは、当該所有権の移転の登記の登記名義人である相続人は、仮登記に基づく本登記を申請する場合における登記上の利害関係を有する第三者に当たらない(平17-21-イ改)。


(解答)

① ○ 先例昭37.7.30-2117
パターン1で、C→Dと移転しているときは、Dのみが利害関係人。
Cの登記も消されるけど、過去の登記名義人は利害関係人にならない。


② ○ 先例昭38.9.28-2660
そのとおり。仮登記に本登記の申請人となるから。
利害関係人とは、申請人以外の第三者で、その登記を実行することにより不利益を受ける者をいう。
パターン1でいえば、Cの「年月日売買」を「年月日相続」に置き換えたケースです。
この場合、Cの登記は消されるけど、Cは申請人となるので利害関係人にはなりません。
パターン1では、Cが登記を受けた原因にも注意する必要があるのです。


つい長くなりました。
ブログで講義しているみたい(笑)
この記事のことがわかるようになれば、仮登記は、相当ラクになると思いますよ。

さて、今日と明日は講義もお休み。
執筆関連の仕事で部屋に引き籠もります。
もう間もなくオートマ過去問集の2015年度版が出ます。
相当よくなっていますよ。
また発売が近くなったらお知らせします。

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