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民法・昨日の講義の急所 [司法書士試験・民法]



  復習 民法(カテゴリー別・リンク)


 おはようございます!

 昨日、6月8日(火)は、1年コースのみなさんの
民法の講義でした。


 みなさん、お疲れさまでした!

 昨日の講義では、前回の続きの賃貸借を中心に解説
しました。


 賃貸借は、債権各論の中で、かなり出題実績が高い
重要テーマです。

 近年では、売買より出題頻度が高いくらいです。

 中でも、賃貸借の対抗要件、賃貸人たる地位の移転、
承諾のある転貸借あたりが学習の中心となります。

 対抗要件という点では、借地借家法の対抗要件を正
確に確認しておいて欲しいと思います。

 その前提として、借地権の定義も、改めてきちんと
理解しておいてください。

 借地権が賃借権である場合、といわれたときに、そ
れが違和感のないようにして欲しいと思います。

 賃貸借は色々な問題点があるので、でるトコを活用
して、よく整理していってください


 以下、過去問です。

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(過去問)

Q1
 Aは、その所有する甲土地をBに賃貸し、Bが賃借
権について対抗要件を具備した後に、Cに対して甲土
地を譲渡した。この場合、Aが有していた賃貸人たる
地位は、賃借人のBの承諾がなくても、当然に譲受人
のCに移転する(平28-18-イ)。

Q2 
 Aが自己所有の甲建物をBに賃貸して引き渡した場
合において、Aが甲建物をCに譲渡したが、まだCが
甲建物について所有権の移転の登記をしていないとき
は、Bは、Aに対して賃料を支払わなければならない
(平18-19-ア)。

Q3
 Aは、その所有する甲土地をBに賃貸した。その後、
AからCへの甲土地の譲渡に伴ってAの賃貸人たる地
位がCに移転し、AからCに対する所有権の移転の登
記がされたときは、BがAに対して交付していた敷金
は、敷金契約を締結した相手方であるAに対して請求
する(平28-18-オ)。

Q4
 原賃貸人の承諾を得て建物の転貸借が行われた場合
には、転借人は、原賃貸人に対し、雨漏りの修繕など、
建物の使用及び収益に必要な行為を求めることができ
る(平23-18-ア)。 

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・


A1 正しい

 そのとおり、正しいです(民法605条の2第1項)。

 不動産賃借権の対抗要件を具備した後、その不動産
の所有権が移転したときは、賃貸人たる地位も、新所
有者に当然に移転します。


 この場合、賃借人の同意も要しません。


A2 誤り

 新賃貸人が不動産について所有権の登記をしていな
い場合であっても、賃借人の側から、その者を新賃貸
人と認めて、賃料を払うことができます(最判昭
46.12.3)。


 新賃貸人の側から請求するには、登記を要すること
と比較しましょう(民法605条の2第3項)。



A3 誤り

 賃借人のBは、前賃借人のAではなく、新賃貸人の
Cに敷金の返還を請求すべきこととなります。


 賃貸借契約の途中で賃貸人たる地位の移転があった
ときは、敷金に関する権利義務も、新賃貸人に承継さ
れるからです(民法605条の2第4項)。



A4 誤り

 原賃貸人に修繕を求めることはできません。

 転借人は原賃貸人に直接に義務を負いますが、権利
を有するものではないからです(民法613条1項前段)。


   ・・・・・・・・・・・・・・・・・


 1年コースのみなさんの次回の講義は、いつものと
おり日曜日ですね。

 まずは、賃貸借を優先的に復習したら、物権編も復
習しておくといいですね。

 もう少しの間は、物権編を優先的に復習するといい
でしょう。

 物権編が一番出題数の多いところですからね。

 これからも頑張ってください。

 では、また更新します。




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