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12月最初の一日一論点 [一日一論点]




  復習 一日一論点(カテゴリー別・リンク)


 おはようございます!

 昨日は、予定どおり、商業登記を3件申請してきま
した。

 いずれも役員変更ですが、3社のうち、初のパター
ンもあったので経験値が上がった感じです。

 あとは、補正もなく終わるのを願うばかりですね。

 では、今日の一日一論点です。


(一日一論点)民法

 占有者が、占有物の上に行使する権利は、これを適
法に有するものと推定されるため、即時取得を主張す
るものは、無過失を立証する責任を負わない
(最判昭41.6.9)。

 即時取得に関する判例ですね。

 以下、民法の過去問です

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(過去問)

Q1
 Aの家からその所有するパソコン(以下、「動産甲」
という。)を盗んだBが、自己の所有物であると偽っ
て、公の市場において、Bが無権利者であることにつ
いて善意無過失のCに動産甲を売り渡した場合におい
て、AがCに対して動産甲の返還を請求する前に動産
甲が滅失したときは、Aは、盗難の時から2年以内で
あれば、Cに対して動産の回復に代わる賠償を請求す
ることができる(平28-8-エ)。

Q2
 A所有の甲時計が盗まれ、その事実について善意無
過失のBが、公の市場において甲時計を買い受けた。
この場合において、Bは、Aから甲時計の回復を求め
られたとしても、代価の弁償の提供があるまで、甲時
計を無償で使用する権限を有する(平31-9-イ)。

Q3
 Aからデジタルカメラ甲の寄託を受けていたEは、
甲をBに売却したが、その際、Bは、Eが甲に関し無
権利者であることについて善意無過失であった。この
場合において、Bは、その後にEから甲の現実の引渡
しを受けた際、Eが甲に関し無権利者であることにつ
いて悪意となっていたときは、甲を即時取得しない
(平25-8-3)。

Q4
 Aからデジタルカメラ甲を賃借していたFは、甲を
Bに売却し、その現実の引渡しをした。この場合にお
いて、Bは、Aに対して甲の即時取得を主張するため
には、Fが甲に関し無権利者であることについて自己
が善意無過失であったことを証明しなければならない
(平25-8-4)。

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A1 誤り

 回復に代わる賠償を請求することはできません(最
判昭26.11.27)。

 善意無過失のCにしてみれば、自分の所有物を壊し
てしまっただけです。

 そのため、賠償を請求されるいわれはないというわ
けですね。


A2 正しい

 そのとおりです(最判平12.6.27)。

 Bは、無償で使用できますし、これにつき不当利得
返還義務などを負うこともありません。

 Bにしてみれば、自分が欲しくて買ったものを返せ
といわれるだけでも損失ですからね。


A3 正しい

 そのとおり、正しいです。

 即時取得成立のためには、現実の引渡しを受ける時
点で、善意無過失であることを要するからです。


A4 誤り

 善意はもちろん、Bの無過失も推定されるので、B
は、その点の立証を要しません。

 今日の一日一論点の判例がベースですね。

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 今回も、民法の重要テーマ、即時取得でした。

 Q1やQ2のように、193条や194条の点もたまに
聞かれます。

 193条や194条の条文、判例にもそれぞれ目を通し
ておきましょう。

 さて、今日から12月。

 今年も残り1か月ですね。

 頑張って乗り切っていきましょう!

 では、また更新します。

 一人でも多くの方が合格できますように(^^)