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土曜日の一日一論点と基礎力 [一日一論点]



  復習 一日一論点(カテゴリー別・リンク)


 おはようございます!

 今日が7月最後ですね。

 明日からは8月です。

 というわけで、7月最後の一日一論点です。


(一日一論点)民法

 譲渡担保権者から、被担保債権の弁済期後に譲渡担
保権の目的物を譲り受けた第三者は、譲渡担保権設定
者が譲渡担保権者に対して有する清算金支払請求権に
つき、消滅時効を援用することができる
(最判平11.2.26)。


 近年、毎年のように出題される譲渡担保。

 今日は、譲渡担保の過去問を確認しましょう。

 ちなみに、今日はちょっと長いです。

 でも、大事なことを書いていますから、丁寧に読ん
でみてください。

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・

(過去問)

Q1
 集合動産を目的とする集合物譲渡担保権設定契約に
おいて、その目的物を「譲渡担保権設定者の甲店舗内
にある商品一切のうち譲渡担保権設定者が所有する物」
と定めたときは、譲渡担保権設定者がいずれの商品に
ついて所有権を有するかが外形上明確になっていなく
ても、譲渡担保権の目的物は特定されている
(平31-15-イ)。

Q2
 構成部分の変動する集合動産を目的として集合物譲
渡担保権が設定され、譲渡担保権者が占有改定の方法
によって対抗要件を具備したときは、譲渡担保権者は、
その後に新たにその集合動産の構成部分となった動産
についても、譲渡担保権を第三者に対して主張するこ
とができる(平31-15-エ)。

Q3
 根抵当権者が、根抵当権の目的である不動産につき
譲渡担保権を取得し、譲渡担保を原因とする所有権の
移転の登記を経由したときは、根抵当権は混同により
消滅する(平27-15-オ)。

Q4
 譲渡担保権の目的不動産が、譲渡担保権設定者が賃
借する土地に建てられた建物であり、譲渡担保権者が
当該建物の引渡しを受けて使用又は収益をするときで
あっても、いまだ譲渡担保権が実行されておらず、譲
渡担保権設定者による受戻権の行使が可能な状態にあ
る間は、敷地について賃借権の譲渡又は転貸は生じて
いないから、土地賃貸人は、賃借権の無断譲渡又は無
断転貸を理由として土地賃貸借契約の解除をすること
はできない(平28-15-エ)。

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・


A1 誤り

 外形上明確になっていないのであれば、特定されて
いるとはいえません。

 集合動産譲渡担保の設定には、目的物の特定を要し
ます。

 その点が集合動産譲渡担保の基本知識であり、急所
です。

 であれば、「外形上明確になっていなくても」の部
分で誤りと判断できるはずです。


A2 正しい

 そのとおり、正しいです。

 動産の譲渡担保は、占有改定による引渡しの方法に
よっても設定できます。

 その点は、基礎知識です。

 そして、このことは集合動産譲渡担保であっても同
じです。

 この基礎知識がしっかりと頭に入っていれば、特に
迷わず正誤を判断できるはずです。


A3 誤り

 譲渡担保による所有権の移転は確定的なものではな
いので、混同は生じません。

 譲渡担保権を設定しても、その時点では、譲渡担保
権者は確定的に所有権を取得しません。

 譲渡担保の実行により、譲渡担保権者は、確定的に
所有権を取得します。

 この点も、譲渡担保における基礎知識といっていい
と思います。

 そこが明確であれば、応用力から、正誤は判断でき
ると思います。


A4 誤り

 譲渡担保権者が使用収益をしている以上、土地賃貸
人は、賃貸借契約を解除できます。

 ここは、いくつかの基礎知識が必要です。

 借地上の建物の譲渡には、賃借権の移転が伴う。

 これは基礎知識であり、譲渡担保権は「譲渡」の形
式を取るので、同じように考えることができます。

 そして、賃借権の移転には賃貸人の承諾が必要です。
 
 さらに、無断譲渡を理由に賃貸人が賃貸借契約を解
除するには、現実の使用収益が必要です。

 ここは、賃貸借で必ず学習します。

 以上から、解除できると判断できます。

 問題文は長いですが、その中からキーワードを拾え
ば、正誤は判断できると思います。

 長文問題には、いかに、そこから重要なキーワード
を拾えるかが大切です。

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・


 今回は、長めの問題文を取り上げ、そして、解答に
必要な急所の解説を加えました。

 少し長くなりましたが、基礎知識で問題が解けるこ
とを再確認して欲しいと思います。

 難しい問題が出て間違えると、もっとこまかい知識
が必要ではないかと焦る人がいます。

 合格に必要な知識はこまかい知識ではなく、基礎知
識です。

 頑張ってください。

 では、また更新します。




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