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遺言に関する登記 [司法書士試験・民法]



  2017目標 1年・不登法(カテゴリー別・リンク)



 お昼の更新です。


 昨日、8月5日(金)は、1年コースの民法・不登法の第47回目の講義でした。


 改めて、みなさん、お疲れさまでした!


 昨日は、一括申請に関連して、テクニカルな登記の目的や、遺言に関する登記を勉強しました。


 まず、大事なところでは、共有不動産の持分を目的とする第三者の権利があるときは、共有者全員持分全部移転で動かすことはできないという点です。


 この場合、第三者の目的となっている持分と、そうでない持分を個別に動かしましょう。


 このことは、同一人が、数回に分けて所有権(持分)を取得している場合に、その一部の持分を目的とする第三者の権利があるときも同じです。


 いずれも、第三者の権利の目的となっている持分を明確にする趣旨です。


 パズルみたいですけど、個別に動かしていくイメージを持っておくといいですね。なるべく、登記記録例を思い浮かべるようにするといいです。


 あとは、遺言に関する登記ですね。


 特に、遺贈による所有権の移転の登記は共同申請、相続させる旨の遺言による登記は、単独申請という点に注意です。


 また、遺贈による所有権の移転の登記については、遺言執行者がいる場合、いない場合のそれぞれの申請情報をしっかり書けるようにしておいてください。


 では、過去問をピックアップしておきます。


 既に学習済みの方も、復習がてら、問題を通じて知識を確認しておいてください。


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(過去問)

Q1
 「遺言執行者は、不動産を売却してその代金中より負債を支払い、残額を受遺者に分配する」旨の遺言に基づき、遺言執行者が不動産を売却した場合に、買主名義に所有権の移転の登記を申請するには、その不動産について相続による所有権の移転の登記を経なければならない(昭57-15-2)。


Q2 
 Aが「甲土地を共同相続人のうち弟Eに相続させる」旨の遺言をして死亡した場合には、Eは、当該遺言書及びEがAの弟であることを証する戸籍全部事項証明書を申請情報と併せて提供すれば、先順位の相続人がいないことを証する情報を提供することなく、甲土地についてEへの相続の登記を申請することができる(平14-23-4)。


Q3
 遺言者が甲不動産を相続人A及びBにそれぞれ2分の1ずつ相続させる旨の遺言をし、かつ、遺言執行者を指定した場合、遺言執行者は、A及びBを代理して、AおよびBの共有名義にするための所有権の移転の登記の申請をすることができる(平20-24-オ)。

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A1 正しい

 まずは、本事例の遺言書を見て、清算型遺贈だと判断できるようにしましょう。


 そして、この場合、買主への所有権の移転の登記の前提として、相続登記を要します。


 物権変動の過程を忠実に公示するという原則によるからです。


 ついでに、農地のケース、時効取得のケースで、類似のことがでてきたことを振り返っておくといいですね。


A2 誤り

 先順位の相続人がいないことの証明を要します。


 相続人でなければ、相続を原因とする所有権の移転の登記を申請することができないからです。


 もし、相続人でなければ、登記原因は「遺贈」となります。


 ここも、遺言書の文言が「遺贈」でありながら、登記原因が「相続」となるケースを振り返っておきましょう。


 スパッといえますか?


A3 誤り

 相続による登記は、相続人が自ら単独で申請できるため、遺言執行者は手続に関与しません。

 
 遺贈の場合と比較しておきましょう。


 なお、Q1の清算型遺贈においては、1件目の相続登記も、遺言執行者が代理できるとされています。


 遺言の執行に必要な前提行為といえるためです。


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 さて、次回の日曜日からは、テキスト第2巻に移っていきます。


 また、講義も、午前・午後の2コマです。


 テキストは間違えないようにしてくださいね。


 では、今日も暑いですけど、昼からも頑張りましょう!!


 また更新します。




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